菊富士ホテル跡
菊富士ホテルは、明治29年より下宿・菊富士楼を経営していた岐阜県大垣出身の羽根田幸之助・菊江夫妻が、大正3年、菊富士楼隣地に開業したものです。同年開催の東京博覧会に訪れる客をあてこんでの経営でしたが、次第に文人たちの集まる宿となり、さまざまなドラマが繰り広げられる舞台となりました。
ここには宇野浩二・宇野千代・尾崎士郎・直木三十五・広津和郎・竹久夢二・谷崎潤一郎・宮本百合子・坂口安吾・大杉栄・伊藤野枝・高田保・正宗白鳥などの文士や政治家、学者などが滞在しました。ホテルの経営者と縁続きだった近藤富枝が「本郷菊富士ホテル」に当時の様子を詳しく書いています。
建物は戦災を受け焼失しましたが、跡地には昭和52年、羽根田家により止宿者の名を刻む
石碑が建立されました。
所在地 | 文京区本郷5-5 (現・オルガノ敷地内) |
アクセス | 東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線・本郷三丁目 徒歩5分 ●地図 |